2011-01-01から1年間の記事一覧

山本七平 「日本人原論」

割と最近出版された山本七平の著書を何かのきっかけで買っておいたのを読み終えた。 色々と興味深いことが書かれていた印象だがまだ頭の中で纏まっていないのでとりあえずパラパラ読み返して気に留まったことを書いておこう。 とりあえず、宮台真司の「序に…

小室直樹 「痛快!憲法学」

買い集めておいた小室直樹の著書の1冊目。平易に書かれていながらも非常に内容が濃く、10年ほど前の著作にも関わらず時差を感じさせない鋭さがあった。 憲法学というタイトルから法律論のような内容をイメージしていたが、小難しいことではなく世界の歴史…

"High Performance MySQL"

MySQLの詳細にもっと詳しくなろうと思い購入した本書。夏前から読み始めたが途中間が空いたこともあって読み終わるのが大分遅くなってしまった。 本書にはMySQLのことがとりあえず一通り書いてあるのでリファレンスには良いと思うが、かなり分厚いので一読し…

森達也 「A3」

1995年の地下鉄サリン事件を代表とする一連のオウム事件を多くのマスコミとは違う角度から追いかけてきた森達也氏の近著。ニコ動でやっていた特集を見て興味を持ち本書を読んでみた。1900円+税はちょっと高いがそれなりの内容がある本だったと思う。 当…

中川一徳 「メディアの支配者」

フジサンケイグループにおける鹿内家と他のステイクホルダーの権力闘争を記録した貴重な著作。日本に置けるメディアの権力がどのように形成され維持されてきたが良く分かる。また、メディアという権力が他の権力とどのように結びついて日本という国が成り立…

松信嘉範 「Linux-DB システム構築/運用入門」

MySQLエキスパートの松信さんのLinux-DB システム入門書を読んでみた。 DBについては理論的な話は割と良く知っているものの本書に書かれているような実践的な話は詳しくないので参考になった。本書を読んでおけばシステム構築・運用を実践的に行うために必要…

山本譲司 「累犯障害者」

友人が面白かったと言っていたので読んでみた。日本社会の闇というかなかなか表に出てこない部分を描いた貴重な著書だと思う。 社会の中での居場所が見つけられない障害者たちが犯罪と関わり刑務所へと送られて行くリアルな現状に正直驚いた。社会の包摂力の…

カレル・ヴァン・ウォルフレン「誰が小沢一郎を殺すのか?」

ちょっと前に話題だったので買っておいた本を最近の小沢一郎系の裁判の判決を機に読んでみた。 日本の旧来のシステムがどのように小沢一郎のような異分子を社会的に抹殺していくかが色々と書かれている。割と聞いた話が中心だったので特に真新しい発見等はな…

増田直紀, 今野紀雄 「複雑ネットワークの科学」

グラフ系の話を少し理解しておきたいと思い知り合いに紹介してもらって読み始めた本。全体的に書き方が平易で分かりやすかったのでこの分野にあまり詳しくない人は入りやすいと思う。 前半は入門的な内容なのですらすら読み進められる。中盤に多くの人が興味…

徳永恂 「現代思想の断層」

いつ何のきっかけで買ったのかはイマイチよく覚えていないが家にあったので面白そうなタイトルだしとりあえず読んでみた。色々と興味のあることが書いてある気がするのだが、正直良く分からなかった。 4人の思想家の軌跡を基にその時代を描いて思想的な歴史…

イザヤ・ベンダサン 「日本人とユダヤ人」

タイトルと著者に釣られて購入した本書。著者のイザヤ・ベンダサンは山本七平がユダヤ人の立場で書いたものと言われる。山本七平が実際にユダヤ教を信仰していたのかは知らないが、ユダヤ人の視点からの日本人の見方は独特で、ユダヤ人の物の見方についても…

小林龍生 「ユニコード戦記」

木田康夫さんのtweetにそそられて購入した本書。貴重な体験を記した良書だと思うが3千円弱はちょっと高いかなと思う。 ユニコードの標準化の中で議論された具体的な問題を通じてそもそも文字符号の国際標準化というのはどういうことなのかが少し分かった。…

平川秀幸 「科学は誰のものか」

遺伝子組み換え、再生医療、原発のような不確定要素が多く社会への影響も大きい科学技術と社会はどのように関わっていけばよいのかというテーマの著書。 複雑化した科学技術の影響は明確に白黒つけられるものではなくあくまでもグラデーション的なものなので…

江副浩正 「リクルート事件・江副浩正の真実」

江副さんの著書はリクルートのDNAを以前読んだが、リクルート事件については詳しいことはよく知らなかったので本書を読んでみた。 内容がかなり詳細なので正直読んでいて追いかけるのに疲れる部分もあったが、詳細な事実の記録という意味では価値がある一冊…

橋爪大三郎, 大澤真幸 「ふしぎなキリスト教」

父親に勧められて読んでみた本書。以前からもう少しちゃんと理解しようと思っていたキリスト教について橋爪先生が語っているので読んでみた価値はあったと思う。けっこう理解も深まった。 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という一神教の考え方や関係からキ…

大野更紗 「困ってるひと」

先日のマル激を見てとりあず著書を買ってみた。これまであまり’読んだことの無い類の本だったが、凄まじい経験を綴る明るい文系女子っぽいノリが良かった。 凄まじさでは及ばないが、自分の経験をちょこちょこ思い出させる内容もあり若干懐かしく思いつつ一…

山本七平 「空気の研究」

宮台真司がよく引用しているので読んでみた。 最近はよく言われるようになった、日本で物事を動かす際に最も影響している「空気」に関する研究の原著。負けると分かっていた戦争を止められなかった理由と言われ、一度醸成されてしまうと論理的な議論を封殺し…

古賀茂明 「日本中枢の崩壊」

少し遅くなったが、話題の古賀さんの著書なので読んでみた。 現職の経産省官僚の古賀さんらしい非常に具体的で実務的な内容だったと思う。日本中枢がどのような仕組みで動いているかがけっこう分かった。 リアルな現状分析に基づいた具体的な提案がなされて…

野口悠紀雄「経済危機のルーツ」

以前「世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか」を買ったときに一緒に買った本だがなかなか読む機会がなかったので時間があるうちに読んでおこうと思い読んでみた。 本書のテーマは2008年からの金融危機を発端とする経済危機なのでやや…

John von Neuman "The Computer and the Brain"

ノイマンに興味がありコンピュータと脳をテーマにした本書見つけたのでとりあえず買ってみた。 内容はPart 1でコンピュータの話、Part 2で脳の話という感じで本当にタイトルのままという感じだったが、実はコンピュータと脳の各々の話ではなくもっと個々を比…

苫米地英人 「利権の亡者を黙らせろ」

魔女の鉄槌が中世における印刷の発明を契機とした社会変化と現在のソーシャルメディアによる情報の流れの変化による社会変化の対比という割と大きな話だったのに対して、本書は3.11をきっかけに日本を中心として起こっている世界の流れの裏側のような話だっ…

How to Design hashCode method

Effective Java 2nd EditionのItem 9に"Always override hashCode when you override equals"という項目があるが、ここで説明されているhashCodeメソッドの実装方法はいざというときにリモートから参照できるべきだと思ったので書いておこう。stackoverflow…

苫米地英人「魔女の鉄槌」

久しぶりに雰囲気が違うのが出たので読んでみた苫米地さんの本。中身も全体的にかなり刷新されていた印象だったので読む価値はあったと思う。 本書のメインストーリーは、中世にてグーテンベルグの印刷の発明が情報の伝達を可能にし起こった情報革命による社…

MySQL Tips: "Migrate MySQL database from latin1 to utf8"

MySQLのcharacter setはlatin1がデフォルトなので、そのままデータベース、テーブルを作った後に国際文字の対応が必要になりUTF8に移行する必要が出てくることがある。 ということで、Migrate MySQL database from latin1 to utf8を参考にUTF8に移行してみた…

有馬哲夫 「原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史」

正力松太郎を中心に原発を日本に導入した昭和史をCIAの機密文書を基に明らかにするという興味深い内容に惹かれて購入した本書。 タイトルからはもっとドロドロした内容というか衝撃の内容を想像していたが、本書は割と文書からわかる事実を刻々と綴っている…

中村成洋, 相川光, 竹内郁雄「ガベージコレクションのアルゴリズムと実装」

GCについてそのうち勉強しようと思ってだいぶ前に買っておいた本書をやっと読み終えた。 タイトル通りにGCの一般的な話からアルゴリズムの詳細と実装までがけっこうしっかり書いてあるので本書の’内容を理解すればGCについてはそれなりのバックグラウンドが…

"Enchantment" by Guy Kawasaki

どこからともなくGuy Kawasakiの新書の話を聞き、Twitterでfollowしたりしてたら何となく面白そうかなと思って買ってみた。そんなに濃い内容の本ではないが、コンセプトは面白いかなと思った。要するにどうやって人の心を動かすかというような話。 例えば、…

宮台真司、飯田哲也 「原発社会からの離脱」

宮台さんと飯田さんの共著ということでさっそく購入し読了した。 原発を取り巻く社会構造が日本の社会問題そのものであることが良く分かった。 特に興味深かったのは飯田さんの生い立ちを含めたバックグラウンドの話。 飯田さんの議論を聞いていて特に尊敬す…

神保哲生, 宮台真司, 小出裕章, 河野太郎, 飯田哲也, 片田敏孝, 立石雅昭「地震と原発 今からの危機」

3.11以降にビデオニュースで特集してきたものを編集し加筆した本。ビデオニュースは毎週見ているので内容的には一度見て理解したものだが、とりあえず買ってみた。基本的にはプロローグとエピローグだけ立ち読みすれば良かった気もするが、内容的には良質な…

山本七平、小室直樹「日本教の社会学」

小室直樹の本を読もうと思いとりあえず手に入った本書を読了。 本書を購入した動機は小室直樹に対する興味からだったが、共著者の山本七平も面白いこと言ってるなと思い著作を数冊購入したのでそのうち読もうと思う。 けっこう古い著作にも関わらず内容は全…