宮台真司、飯田哲也 「原発社会からの離脱」




宮台さんと飯田さんの共著ということでさっそく購入し読了した。
原発を取り巻く社会構造が日本の社会問題そのものであることが良く分かった。


特に興味深かったのは飯田さんの生い立ちを含めたバックグラウンドの話。
飯田さんの議論を聞いていて特に尊敬するのは相手に非合理なことを言われても常に冷静さを崩さず合理的に振る舞う姿だが、そういった態度を身につけるに至った経験の一旦を垣間見た気がした。


それからもう一つ気に留まったのは日本における知識人の存在について。
知識人というのは、現在の自分の立場に捕われずに合理的な姿勢を貫き社会を変革する人々をバックアップし、勇気づける存在でなければいけないが、果たしてそんな知識人がこれまでにどれだけ日本にいたのか(もしくは全くいなかったのか)と考えると、現在の日本社会がこんな姿になってしまったのも納得がいく。


社会を支配している仕組みが悪いために人々が決して本当に自分がやりたいことではないことに人生のほとんどの時間を費やしているという現状についての問題意識を新たにし、自分はそんな人生を生きずに人々をそこから解放するための社会変革に携われるような道を選ぶという決意を固めた。