安冨歩、本多雅人著「今を生きる親鸞」

西洋的な考え方に疑問と限界を感じている今日この頃、本書の存在を知り購入しておいたものを読み終えた。 いくつか参考になることを学んだように思う。 「他力」という概念。 安富歩氏著の「生きる技法」を読んだときにも感じたことだが、他者との関わりの中…

"Liars and Outliers: Enabling the Trust that Society Needs to Thrive" by Bruce Schneier

購入してからしばらく日が経ってしまったが、地道に読んでいたものが読み終わった。 セキュリティ分野に興味を持ち始めてから色々なものをネット上などで読みあさってきたが、この分野のエキスパートであるBruce Schneierの書いたものに巡り会うことは多く、…

"Makers: The New Industrial Revolution" by Chris Anderson

一応流行りものなのでしばらく前に買った本。イマイチ気乗りしないので本棚に寝かせつつダラダラ読んでいたものが今日読み終わった。Makers Movementのコンセプトは面白いがずいぶん早いうちに萎んでしまったように思う。Cody Wilsonが言うように"Talk is ni…

有川浩「塩の街」

この間読んだ「悪の教典」が面白かったため日本の小説にハマりつつあったところで友人から聞いてちょっと読んでみた。悪の教典ほど刺激的ではないもののユニークなストーリーでけっこうおもしろかった。 ストーリー以外で一つ面白いと思ったのは誰が主人公だ…

 貴志 祐介 「悪の教典」

ちょっと前に友人からもらったので読んでみた。 久しぶりに読んだ日本の小説だったが、刺激的で楽しめた。洋物というか米物の映画ばかり見ていて同じようなオーガナイズされた作りというか刺激の加え方に飽きていたのでちょうど良かった。やはり日本のように…

 安富歩 「生きる技法」

しばらく前に買った後に本棚に飾っておいた本だが、何となく気が向いて読んでみた。 本書で記憶に残ったのは、「自立とは依存すること」という考え方。 組織に依存せずに生きていけるようになることが目標だと思った数年前のことを思い出す。 Joi Itoもネッ…

Mike Gancarz著 「UNIXという考え方」

UNIXの使い方ではなく思想について書かれた良書。少し古い本ではあるが今でも読む価値はある。原著ではなく訳本を買ったのは翻訳後に細かい間違い等が正されたという評判を見たからだったような気がする。値段もお買い得だったような。特別なフレーズ等には…

岡留安則 「『噂の眞相』25年戦記」

以前、 川端幹人さん著の「タブーの正体!」を読んだ時かなにかについでに購入したと思われる岡留さんの著書。 噂の真相の名前はちょくちょく聞いた事があるものの実際の雑誌を読んだことはないのだが、日本のジャーナリズム的には重要な雑誌だったようなの…

バンクーバーについて

この夏、カナダのバンクーバーにしばらく滞在していた。 色々と感じることがあったので忘れないうちに書いておこうと思う。 バンクーバーはカナダの西海岸側のアメリカとの国境のすぐ近くに位置しており、気候や環境、文化などもアメリカの西海岸側と似てい…

"Steve Jobs" by Walter Isaacson

しばらく前に買ってちょろちょろ読んでいたSteve Jobsの伝記を読み終えた。別に衝撃の事実が書いてある訳ではなく、聞いたことがある出来事が色々と書いてある感じなので正直そんなに面白くはない。茂木健一郎さんがTwitter上でSteve Jobsの伝記を理由にWalt…

小室直樹 「ソビエト帝国の崩壊」

1980年に書かれた古い本だが小室直樹の貴重な著書ということでプレミアのついた値段を払って購入した。 物心がついた頃には資本主義がほぼ支配する世の中になっており社会主義の国家に対するリアリティはあまりなかったので、社会主義国家における特権階級や…

"Small Pieces Loosely Joined: A Unified Theory Of The Web" by David Weinberger

Joi ItoさんがStanfordでの講演などでwonderfulと言って絶賛していたので読んでみた。 ちょっと古い本なので今の感覚で読むとやや時差を感じるせいもあって一読しただけではwondrfulとは思わなかったが、何となく良い本なのかなという気はした。どうやらこれ…

Amazon アソシエイト・プログラムを始めた件

ひょんな思いつきからAmazon アソシエイト・プログラムを始めた。所謂アフィリエイトというやつである。かれこれ5年ほど不定期に気ままなことを書いてきたのに何を今さらという気もするのだが、何となくそんな気になったのである。というわけで過去のリンク…

川端幹人 「タブーの正体!」

少し前に読み終わった本だが、どのような感想を書くべきか色々と考えていて、もう一度読み返すなどしていたら遅くなってしまった。 本書ではメディアにおけるタブーがどのような仕組みでできるのかを暴力・権力・経済それぞれの恐怖という観点から描いている…

苫米地英人 「電通 洗脳広告代理店」

発売されて間もなくアマゾンで注文したものの、どういう訳か届くまでにかなり時間がかかったりで読むのが少し遅くなってしまったが、やっと手元に届き賺さず読んだ。電通については少し前に週間金曜日取材班による「電通の正体―マスコミ最大のタブー」を読ん…

苫米地英人, フィデル・カストロ・ディアスバラールト 「もう一歩先の世界へ 脱資本主義の革命が始まった」

本屋でたまたま見つけ、著者の名前に惹かれて小一時間ほど立ち読みしていたら全部読んでしまった。フィデル・カストロと聞いてキューバの革命家本人かと思ったが, フィデル・カストロ・ディアスバラールトはフィデル・アレハンドロ・カストロ・ルスの長男ら…

「アメリカに行ってエンジニアリングを学びたい中学生」を見て感じること

Twitter上で@cloooote君という中学生が暴れているのを見かけた。どうやらアメリカでエンジニアリングお学びたいらしい。日本にいるとシリコンバレーぐらいしかうまく回っているシステムがないように見えるせいか、最近のNHKを含めた日本のメディアにはシリコ…

田中周紀 「国税記者  実録マルサの世界」

第七章に書かれてるクレディスイスの八田さんのtweetを見て衝動買いしてみた。日本の中枢権力である国税には以前から興味を持っていたが、日本社会の秩序がどのように保たれているのかを知ることができる良書だと思う。ただ気になるのは基本的な姿勢がかなり…

週刊金曜日取材班 「電通の正体」

ちょっと古い本だが電通の実態について赤裸々に書いている数少ない本ということで読んでみた。広告代理店がマスコミを牛耳っているというのはよく聞く話だが実態についてはあまり良く知らなかった。週刊金曜日取材班の著作なので週刊誌的な書き方が多く考察…

猪瀬直樹 「昭和16年夏の敗戦」

日米開戦前に若手エリートを結集して創設された総力戦研究所の話。日本とアメリカの国力を分析し国家の意思決定に必要となる研究を行うために招集され、平均年齢33歳の模擬内閣を組織し開戦についての検討を行った。昭和16年の夏に模擬内閣が出した結論…

猪瀬直樹 「空気と戦争」

今のうちにもう一度歴史を勉強しておかければと思い猪瀬さんの著書を数冊買い集めて読み始めた一冊目。 まず、「はじめに」にいくつか気になることが書かれていた。 戦前から始まっていたアメリカナイゼーション 好景気をもたらす戦争を歓迎する国民 靖国神…

東浩紀 「一般意思2.0」

あずまんが最近出版した本ということで年末年始に読んでみた。 本書の内容を非常に雑に言うと、うまくいってる情報技術を使って空気を可視化してうまくいってない政治・行政システムに活用しようという話で、ぱらぱらとネット上の書評を見ると政治・行政シス…

山本七平 「日本人原論」

割と最近出版された山本七平の著書を何かのきっかけで買っておいたのを読み終えた。 色々と興味深いことが書かれていた印象だがまだ頭の中で纏まっていないのでとりあえずパラパラ読み返して気に留まったことを書いておこう。 とりあえず、宮台真司の「序に…

小室直樹 「痛快!憲法学」

買い集めておいた小室直樹の著書の1冊目。平易に書かれていながらも非常に内容が濃く、10年ほど前の著作にも関わらず時差を感じさせない鋭さがあった。 憲法学というタイトルから法律論のような内容をイメージしていたが、小難しいことではなく世界の歴史…

"High Performance MySQL"

MySQLの詳細にもっと詳しくなろうと思い購入した本書。夏前から読み始めたが途中間が空いたこともあって読み終わるのが大分遅くなってしまった。 本書にはMySQLのことがとりあえず一通り書いてあるのでリファレンスには良いと思うが、かなり分厚いので一読し…

森達也 「A3」

1995年の地下鉄サリン事件を代表とする一連のオウム事件を多くのマスコミとは違う角度から追いかけてきた森達也氏の近著。ニコ動でやっていた特集を見て興味を持ち本書を読んでみた。1900円+税はちょっと高いがそれなりの内容がある本だったと思う。 当…

中川一徳 「メディアの支配者」

フジサンケイグループにおける鹿内家と他のステイクホルダーの権力闘争を記録した貴重な著作。日本に置けるメディアの権力がどのように形成され維持されてきたが良く分かる。また、メディアという権力が他の権力とどのように結びついて日本という国が成り立…

松信嘉範 「Linux-DB システム構築/運用入門」

MySQLエキスパートの松信さんのLinux-DB システム入門書を読んでみた。 DBについては理論的な話は割と良く知っているものの本書に書かれているような実践的な話は詳しくないので参考になった。本書を読んでおけばシステム構築・運用を実践的に行うために必要…

山本譲司 「累犯障害者」

友人が面白かったと言っていたので読んでみた。日本社会の闇というかなかなか表に出てこない部分を描いた貴重な著書だと思う。 社会の中での居場所が見つけられない障害者たちが犯罪と関わり刑務所へと送られて行くリアルな現状に正直驚いた。社会の包摂力の…

カレル・ヴァン・ウォルフレン「誰が小沢一郎を殺すのか?」

ちょっと前に話題だったので買っておいた本を最近の小沢一郎系の裁判の判決を機に読んでみた。 日本の旧来のシステムがどのように小沢一郎のような異分子を社会的に抹殺していくかが色々と書かれている。割と聞いた話が中心だったので特に真新しい発見等はな…