貴志 祐介 「悪の教典」



ちょっと前に友人からもらったので読んでみた。


久しぶりに読んだ日本の小説だったが、刺激的で楽しめた。洋物というか米物の映画ばかり見ていて同じようなオーガナイズされた作りというか刺激の加え方に飽きていたのでちょうど良かった。やはり日本のようにディスオーガナイズドな環境からでないと生まれてこない発想というのはあるのかもしれない。


ちょっとググってみたところ、映画版の一部がYouTubeにあがっていたのでこちらも見てみた。

やはり役者の演技力などではハリウッドには及ばない部分も多く拙さを感じるが、まぁ楽しめた。技術的な力を磨いても超えられない発想力というのはあると思う。4部構成のような形になっていてYouTubeで見れるのは序章だけのようなのだが、そのうち続きも見てみたいと思う。後半を映像でどのように描いているのかは非常に楽しみだし、刺激的なはずだ。


これを気にYouTube上などにある最近の日本映画をいくつか見てみた。どれもハリウッド映画とは違う発想は感じるのだが、どうも日本映画は全体的に恐怖を心霊現象で表現する傾向が強いように思う。「リング」のように、ある種のリアリティを持たせそれを保ちつつ話を展開させるというか、その世界感の中に引き込んで逃がさないくらいのリアリティがあると面白いのだが、半端なリアリティと半端な演技力ではやっぱダメだなぁと感じる。やはり、「バトルロワイヤル」は面白かったと思った。


悪の教典」の映画版のリアリティがどのくらいその世界に引き込んでくれるかは楽しみである。