週刊金曜日取材班 「電通の正体」




ちょっと古い本だが電通の実態について赤裸々に書いている数少ない本ということで読んでみた。広告代理店がマスコミを牛耳っているというのはよく聞く話だが実態についてはあまり良く知らなかった。週刊金曜日取材班の著作なので週刊誌的な書き方が多く考察についてはやや薄かった印象だが業界の裏話について知るには良いのではないかと思う。


電通は寡占状態にある広告業界における圧倒的な力を利用してテレビ・新聞を中心としたメディアを牛耳り、産業界に限らず政治にも大きな影響力を持っているらしい。特にテレビ事業の収益のほとんどは広告収入であり、広告主との仲介ビジネスにおける支配的な地位と子会社のビデオリサーチによる視聴率調査の独占により、その支配力は圧倒的なようだ。


アメリカではマーケティングの手法を選挙に多大に利用するという話は良く聞くが、最近では日本の広告代理店も多いに参加しているようだ。沖縄で稲嶺知事の当選や小泉政権下での政治手法にも色々と関わっていたらしい。以前、沖縄県知事選に官房機密費がかなり使われたという話を聞いたことがあるが、その辺りとの関係についても興味がわいてくる。オリンピックや万博のような国家的なイベントにもかなり深く関わっているようで、基本的に日本で大きな物事が動くときは大体電通が関わっているのかなと思った。


社員には政治家や財界人の子息が多数いるらしくあちこちにかなりの人脈があるようだが、スーパーフリーや薬物に関わって捕まった社員もいるらしい。この辺りについてネットで探してみると、だいぶ情報が消されている印象を受ける。一つ興味深かったのは、以前は電通についての本をがっつり書いていた田原総一郎も妻の葬式を成田豊に頼むなどかなり深い繋がりがあるようだ。こんな話が知れたのは週刊金曜日の本を読んだからなので良かったかなと思う。なんてことを考えながらアマゾンをウロウロしていたら近日中に発売予定のこんな本を見つけてしまった。



これは読みたいぞ〜。