"Enchantment" by Guy Kawasaki




どこからともなくGuy Kawasakiの新書の話を聞き、Twitterでfollowしたりしてたら何となく面白そうかなと思って買ってみた。そんなに濃い内容の本ではないが、コンセプトは面白いかなと思った。要するにどうやって人の心を動かすかというような話。


例えば、押し売りのような形で人に無理矢理自分の願望を押し付けても人の心は動かない。必要なのはその人が自分でそうしたいと思うような動機付け。そのために必要なことを色々と書いてあるわけだが、一番大事なのはLikabilityだなと思った。要するにその人に好かれること。これは理屈としては頭にあったが、ちゃんと実践したことはこれまで無かったので試している今日この頃だが、非常に効果がある。どんなに立派な理論で完全に論破されても多くの人は認めたくないことは認めないし、やりたくないことはやらない。その人の心が弱ければ弱いほどその傾向は強い。そういう視点で人を見ているとなんてみんな弱いんだろうと思う。この辺りのアプローチは飯田哲也さんのスタイルにも共通するものを感じる。本当に社会を変えようとするなら多くの人が無理せずできるような仕掛けを作らないといけないんだと思う。


それから本書のスタイルで気に入ったのはセクションの最初などに著名な人物の一言が書いてあること。洋書っぽくていいなと思った。特に気に入ったのは以下の2つ。

By working faithfully eight hours a day you may eventually get to be boss and work twelve hours a day.
- Robert Frost

What luck for rulers that men do not think.
- Adolf Hitler

どちらも若干ネガティブな言葉だが、非常に真実を言い当てていると思った。
それからGuy Kawasakiの言葉をもう一つ。

Drop everything and do what your boss asked you to do.
- Guy Kawasaki


自分にはGuy Kawasakiの言うようにすべてを捨ててボスの言う通りやるなんてことはできないし、Robert Frostの言うようにそんな思いをしてまでボスになりたいとも思わない。むしろAdolf Hitlerの言うように多くの人がそうやって自分の頭で考えることを止めて不合理なことに盲目的にしたがっているから問題のある社会が変わらないと思うので、そんな社会を変えるために自分の力を使いたい。