イザヤ・ベンダサン 「日本人とユダヤ人」




タイトルと著者に釣られて購入した本書。著者のイザヤ・ベンダサン山本七平ユダヤ人の立場で書いたものと言われる。山本七平が実際にユダヤ教を信仰していたのかは知らないが、ユダヤ人の視点からの日本人の見方は独特で、ユダヤ人の物の見方についても興味深く読めた。これが500円ちょっとで売っているのだから現代の日本人はとりあえず読んでみると良いと思う。


日本人とユダヤ人を比べると日本人が無意識的に当たり前だと思っていることがどのような文化的・歴史的・宗教的背景によってそうなっているのかが分かり、またそれが当たり前ではないことが分かる。


本書における日本人に対する見方は現代にも通じるものが多くあり興味深いが、中には政治的天才というような同意しにくい表現もあったことも記しておこう。


自国民の文化を他国民の目から客観的に見て相対化するというアプローチは、ある種知識人として極めた人間のチャレンジであり面白いと思った。