スティーヴン・ホーキング, レナード・ムロディナウ 「ホーキング、宇宙と人間を語る」




以前読んだホーキング、宇宙のすべてを語るに比べると、大分成長した印象(というと偉そうだが。。)。前書ではこのブログにも書いたように、「神が」的な書き方が多くていまいちな印象だったが、本書では神はいなくても宇宙は存在しうるという立場が明確になっており、修正された印象。


特に、現在の観測があるから過去の宇宙は存在する的なことも書いてあったのはけっこう同意。それにしてはM理論をけっこう押しているのがやや気にかかる。そもそも個人的には数学の上に乗っかった物理学の世界で宇宙を完全に記述するのは無理なんじゃないかと思う。何故なら、数学・物理学も宇宙の一部なわけで、それよりも情報量の多い宇宙を完全には記述できないだろうと思う。


次回作では是非、ゲーデル不完全性定理チャイティンの定理についての見解を明確に示して欲しい。まぁ、本人は哲学をややバカにしているらしいので、なかなかそっち方向は難しいのかなとも思うが。。