郷原信郎 「検察が危ない」




近年の検察の動きは目に余るものがあると前々から思っていたので、郷原さんの著書を読んでみた。本書は主に小沢さんの事件を題材にしているが、その他の事件においても検察という組織がどういった理屈に基づいて動いているかを理解するには参考になると思う。


一つ記憶に残ったのは特捜という組織内の労働環境について。共同捜査に組み込まれた時点で休日は一切なくなり、土曜日曜、祝日祭日も全て出勤となりプライベートは一切なくなるらしい。しかも勤務時間は深夜遅くまで続き身柄を拘束されているに近い状況らしい。それにもかかわらず勤務時間中は仕事内容が希薄になることもあるらしい。一日中麻雀ゲームをしている検事も多いとか。そのような環境にいる人間にストレスが溜まるのは間違いなく、正しい判断ができなくなるのも無理はない。


このような現状の検察組織を立て直すにはこれまで検察が築き上げてきた正義としての威信を法務大臣の指揮権発動という手段によって一度粉々に粉砕する必要があるという宮台真司の意見に賛成。