木村剛 「頭が良い人は親指が太い―デキるビジネスマンなら知っている10の法則」




ビジネスにおいては、「頭が良い」ということは「親指が太い」ということと変わらないという話。
この言葉はテンポスバスターズという会社の森下篤史社長の言葉らしい。
この会社のホームページには次のような社長のメッセージが書いてある。

事業家としての私の気概
中古屋を始めるにあたり、幹部や経営者仲間に意見を聞いた。
『うまくいかないから』『中古なんかを売ると修理が大変だ』『中古冷蔵庫を売って故障して、中味が腐ったらどうするんだ』『ものが集まるのか』等々ネガティブな話が多かった。
世の中にない事を始める人に向かって色々な質問(まともで的確な質問)をされたって、その時になってみないと答えられない事の方が多い。
"君たちの様に、やる前から心配して「対策を十分に考えて」、などと言っているといつまでたっても新規事業には着手できない。俺がやるから見ておれ"と平成9年の4月に事業をスタートした。
私は今まで五つの事業を手がけたが失敗した。エネルギーと知恵は全力を出しても良いが、金は全財産をぶち込んではいけない。新規事業は商品開発と同じで、万を持してスタートさせても失敗するものである。
次に立ち上がることのできる範囲内でスタートする。しかし、全エネルギーはぶち込む。
平成9年10月、坪20万円の内装工事業を始めるにあたり、50社程の内装業者を集めてテンポス方式を説明した。仕事のない時代とはいえ、ほとんどの業者が『あんたは素人だからそんな無茶が言える』『採算が合わなくてやっていられない』『できる事なら誰かがやっているはずだ』etc.
会場を去ってしまい、残ったのは2社だけである。彼らとスタートする事にした。日本の内装業者よ、見ておれ。君たちができないと言うなら俺がやってみよう。
回転寿司も30年前は暖簾の寿司屋から言われたものだ。『あんなのは寿司じゃない』と。今どうなったか、暖簾の寿司屋激減、回転寿司大繁盛。

回転寿司を始めた人は寿司屋じゃない。内装業は俺にとって素人だ。
だが、お前らができない、出来ないと言うのなら、俺が内装業界に風穴をあけてやろう。
坪20万の内装工事を確立してみせる。

今に見ておれ!!

ビジネスにおいては、「頭が良い」ということは大して大切なことではなく、「頭が強い」ことが大事らしい。
幅1.5メートルの千尋の谷を飛び越えて行けるような人がビジネスには向いているらしい。
以下は本書が提示する「ビジネスで成功するための10の法則」

  1. ビジネスの本質は失敗することだ
  2. 良いものが売れるというのはウソ
  3. 顧客調査でヒットは生まれません
  4. 確実なビジネスは確実に失敗する
  5. 工夫に工夫を重ねて途方に暮れろ
  6. 金儲けだけでビジネスはできない
  7. 知識を増やすよりも勇気を鍛えよ
  8. 夢に命をかければ勘は働き始める
  9. お客さまは自力で造り上げるもの
  10. 人を動かすことは戦力より難しい

確かにそうだろうけど…、という印象。
何かちょっと安っぽいというか浅い気もする。
とりあえず本自体はまぁまぁ楽しく読めたかなと思う。