藤沢数希 「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方」



とあるblogで話題になっていたので読んでみた。
本書のタイトルにあるように「投資のプロのパフォーマンスはサル以下」というのは割と有名な話。

以前読んだ



によれば、サルがウォールストリートジャーナルに向かってダーツを投げて決めた銘柄を買った方が投資のプロよりも高いパフォーマンスをあげられるという話。
似たような話は色々聞くし、学術的にもかなり信憑性が高い裏付けがあるっぽい。

今回読んだ本はその理由を説明してくれている。
その理由を端的に言えば、「市場はかなり効率的だから」。
ロジックは次の通り。


1.市場では非常に頭の良いプロ達が日夜必死で個々の株式銘柄や為替の動向、経済指標などを分析し、ミスプライスされた株を血眼になって探している。
2.投資のプロ達により、過去の履歴や現在利用可能な情報はほとんど株価に織り込まれている。
3.その結果、株価を動かす主な要因は突発的なニュースなどが多くを占める。
4.将来何が起こるかは誰にも分からないため、株価が上がるも下がるも五分五分になる。
5.サルのダーツもプロの予想も大して変わらない。
6.プロは高給をもらっているため、その分だけサルに劣る。


根も葉も無い論理だが、けっこう納得がいく。
面白いのは、高給をもらいながら予想を外しまくってサル以下のパフォーマンスしかあげられないプロ達の活動もちゃんと社会貢献しているということ。
市場が効率的なのは、彼らが一生懸命分析して株価を適正に評価してくれているからであり、それが無くなるとサルにはプロに勝てなくなり、市場で儲けることができるのはプロだけになってしまう。
世の中こうやって動いてるんだなー、と思った。


本書を読もうと思ったきっかけの生命保険の裏側についてもちょっとメモ。
基本的には生命保険も宝くじと同じで、胴元が集めた金額の何割を還元するかが大事。
複雑な商品ほど手数料が高いのでシンプルなものがお勧め。
共済と比べて還元率がどうかというのが良い基準らしい。
とりあえず、生命保険に入らなくても安心できるような人生設計をしようと思った。