手嶋龍一 「ウルトラ・ダラー」



北朝鮮外交を舞台としたインテリジェンスオフィサーに的を当てた、フィクションと言いつつかなりノンフィクションな小説。
普段は小説はほとんど読まないが、以前読んだ「インテリジェンス武器なき戦争」の中で紹介されていて面白そうだったので読んでみた。
小説のくせに話がかなりリアルで迫力があった。
登場人物の名前は一応物語の中の名前になっているが、実在する人物の顔が思い浮かぶ感じが面白かった。
登場人物の瀧澤勲アジア大洋州局長がK・Tと呼ばれて、「俺の名前はクンじゃない。イサオだ。呼ぶならI・Tといいたまえ。」と言う台詞が印象的。
明らかに実在する人物を匂わせているが、面白い思い浮かばせ方だと思った。
演出の仕方もけっこう上手いなぁと思った。
終わり方もけっこう感動的だった。