正高信男 「ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊」



本書の主張によると、最近の日本の若者はサル化しているらしい。京都大学の霊長類研究所でサルの行動を専門に研究している教授が真面目に主張している。電車の中で化粧をしたり、ケータイで話したり、メールをしたり、靴のかかとを踏んで歩いたり、ルーズソックスを履くといった行動は、サルの行動を研究している学者からは珍種のサルに見えるらしい。中身を読んでみると、現代日本の親と子供の甘え合いの関係についてなど納得できる点もいくつかあるが、全体的には流行というものを理解できていないという印象が強い。サル化したといわれている当人たちの多くはただ流行に振り回されているだけだったり、メンドくさいだけな気がする。いろんな見方があるんだなぁとは思った。