大前研一 「衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生」
世界がアメリカ中心の世界から中国台頭への移行に注目する中、国家としてのEUに注目した興味深い一冊。
印象としては、長期的にはドルからユーロへの基軸通貨移行などEUを中心とする世界構図というのはけっこう説得力があったが、まだ乗り越えるべき課題がもう少しあるかなぁという印象。
例えば、財政政策はEU規律の中で各国に任せ金融政策はEUの中央銀行が担うというのには若干無理がある印象を持つ。というか、資本主義の枠組みの中で財政規律を守りながら発展することが可能なのかも実は不明。それから、外貨準備高では欧州中央銀行はまだまだしっかりヘッジファンドに対抗できるほどは準備ができていないという点も今後の課題かなぁと思った。
このあたりの課題の進捗と今後のEUの東方拡大にも注目しながら個人資金のユーロシフトを考えようかなぁと思った。