牧野武文著 「Googleの正体」




小飼弾のブログで絶賛されていたので読んでみた。正直、期待したほどの本質は書かれていなかった。梅田望夫ブームの延長というくくりで問題ないと思う。


期待していたのは、Wiredの記事:Google’s ‘Don’t Be Evil’ Mantra is ‘Bullshit,’ Adobe Is Lazy: Apple’s Steve Jobsに書かれているようなGoogleマーケティング情報から外に出た本質的な話や、Google Buzzのプライバシー問題を代表する、SocialでGoogleが成功できない理由など。


Google Buzzについての子飼弾のエントリー:Google Buzz がただの buzz で終わる(かも知れない)理由はけっこう参考になったので信じてみたが残念な結果。ついでに、日経電子版についてのエントリー:憶測 - 日経電子版の本当の本当の狙いもやや的外れの印象。


本書の中で一つ印象に残ったのは、「最大のライバルヤフーとの対決」の項でかかれているGoogleが日本でいまいち成功できていない理由。基本的にGoogleが高いシェアを獲得したのはAOLのような人気のある他サイトからトラフィックを買い集める戦略が成功したからで、この戦略はポータルサイトのヤフーにはあまり有効ではなく、日本にはヤフー以外にAOLのようなサイトがあまりないからこの戦略が取れないというような話。「日本にはヤフー以外にたくさんのトラフィックを集めるポータルサイトが存在しない」、という言い方はやや雑だと思うが、大まかな分析としては間違っていないと思った。