福岡伸一著 「世界は分けても分からない」




福岡先生の著書第2弾。
色々と面白いことが書いてあったことのうちいくつかをメモしておこう。

割と記憶に残っているのは、ES細胞と癌細胞の類似性。
簡単に言うとES細胞は周りの空気を読んでうまく変化していくらしいが、癌細胞はうまく空気が読めず暴走してるらしい。

それから本書のタイトルの意味。
簡単に言うと、車などの人工物は部分から成っていて分解可能だが、生物などは分解しようとしても上手く分解できないと言うような意味。
例えば、鼻という部分を取り出そうとしてもどこからどこまでが鼻かとは明確に定義できないため、鼻という部分を取り出すことはできないといういような例を使って説明されていた。

あとはトランプを2つずつペアにして積み上げていくことの意味。
トランプを積み上げて行くことによってそこに生まれるのは秩序であり、秩序とはすなわち情報である。
この例えが面白いのは、物質というのはそもそも分子を秩序立てて組み合わせた物であり、分子は原子の集まり、原子は原子核の周りに電子がいくつかあるもので、さらに超ひも理論に依れば、この世の最小単位である素粒子は単に超ひもが振動している状態であり振動していなければ真空ということ。つまりこの世の全ては情報であるということの本質を示唆している。