金子勇 「Winnyの技術」



Winny開発者の金子勇氏自身が記したWinnyの技術解説書。本書の出版は一応アスキーとなっているが、pdf版がWinnyネットワーク上に流れているという個性的な配布形態が特徴。内容はP2P技術自体の歴史や技術的説明から始まり、Winnyネットワークの仕組み、匿名性や暗号の仕組み、開発のエピソードなどについても詳細に記されている。これを読めばWinnyの仕組みは確かに良く分かる。色々と世間で騒がれたWinnyではあるが、技術的には非常に興味深いものだと思うし、今までに無かった便利なソフトウェアが日本から生まれたということには価値がある。しかし、この国はそういう人を逮捕してしまうから恐ろしい。使った人の問題が作った人の問題になってしまうのはオカシイと思うのだが。。包丁で人を刺したら包丁を作った人の罪なのか???現時点で裁判の結果はまだ出ていないが、どういう判決が出るのか注目したい。内容によっては、世界から非常識扱いされることも有りうると思うし、日本の技術者育成に重大な影響を与えかねない。